ユーザ用ツール

サイト用ツール


mas1xx_ope:power_management:start

差分

この文書の現在のバージョンと選択したバージョンの差分を表示します。

この比較画面にリンクする

両方とも前のリビジョン 前のリビジョン
次のリビジョン
前のリビジョン
mas1xx_ope:power_management:start [2020/08/24 15:26]
admin
mas1xx_ope:power_management:start [2020/09/07 08:14] (現在)
admin
ライン 3: ライン 3:
 MA-S1xx シリーズでは、MA-E3xx シリーズで対応していた Standby モードに加えて、電源 OFF 状態で待機する off モードが利用できるようになりました。\\ MA-S1xx シリーズでは、MA-E3xx シリーズで対応していた Standby モードに加えて、電源 OFF 状態で待機する off モードが利用できるようになりました。\\
 これにより、待機時の消費電力の大幅な削減が可能になっています。 これにより、待機時の消費電力の大幅な削減が可能になっています。
 +
 +\\
 +
 +====== Power off モード ======
 +
 +shutdown された状態で待機し、対応した入力があった場合に起動するという動作をします。\\
 +OS の起動シーケンスすべてが走りますので、起動する頻度が高い場合には不向きです。\\
 +1 時間に 1 回など、低頻度でバッテリー駆動する、というような用途に向いています。\\
 +※ 電源コードを抜いて電源供給を断ってしまうと**起動することはできません**。
 +
 +対応している入力には下記があります。
 +
 +|<30em 3em 10em 15em>|
 +^  No.  ^  GPIO Name  ^  内容 ​ |
 +|  1|BU_DI0|DI0 変化検知|
 +|  2|BU_DI1|DI1 〃|
 +|  3|BU_DI2|DI2 〃|
 +|  4|BU_DI3|DI3 〃|
 +|  5|BU_EXT_RTC_ALARM|外付け RTC ALARM|
 +|  6|BU_MSP430_IRQ|マイコン割込((将来の機能拡張により利用予定))|
 +|  7|BU_XIO_WAKEUP|拡張ボード割込((将来の機能拡張により利用予定))|
 +|  8|  -  |OPT スイッチ割込((常時有効))|
 +
 +\\
 +
 +===== 使用方法 =====
 +
 +==== OPT スイッチ押下による起動 ====
 +
 +shutdown 後、OPT スイッチを押下することで MA-S1xx を起動することができます。\\
 +
 +{{:​mas1xx_ope:​power_management:​ma-s1xx_opt_sw.jpg?​600|OPT スイッチ}}
 +
 +\\
 +
 +==== DI 変化検知による起動 ====
 +
 +DI の変化のエッジ(立ち上がり/​立ち下がり)を設定しておくことで、該当 DI が変化した場合に起動することができます。\\
 +起動後は無効化されていますので、sysfs でエッジの極性を設定する必要があります。
 +
 +{{:​mas1xx_ope:​power_management:​ma-s1xx_di.jpg?​600|DI}}
 +\\
 +
 +=== DI0 立ち下がりエッジ(接点 ON)指定 ===
 +
 +<​code>​
 +root@gemini:​~#​ cd /​sys/​class/​gpio/​BU_DI0
 +</​code>​
 +
 +<​code>​
 +root@gemini:/​sys/​class/​gpio/​BU_DI0#​ cat wakeup_pol ​
 +none  <--- 無効化されている
 +</​code>​
 +
 +<​code>​
 +root@gemini:/​sys/​class/​gpio/​BU_DI0#​ echo falling > wakeup_pol ​
 +root@gemini:/​sys/​class/​gpio/​BU_DI0#​ cat wakeup_pol ​
 +falling <--- 立ち下がりエッジに設定された
 +root@gemini:/​sys/​class/​gpio/​BU_DI0# ​
 +</​code>​
 +
 +\\
 +
 +==== 外付け RTC Alarm による起動 ====
 +
 +外付け RTC にアラームを設定し、指定時刻になったら起動するように設定することができます。\\
 +注意点としては、アラームには **日・時・分** しか設定できないので、2ヶ月先のような指定は指定はできません。\\
 +また、電源 OFF 中は時刻補正ができませんので、あまり先のアラームを設定すると起動時刻にズレが生じます。
 +
 +=== 例: 2020/08/24 16:​30:​00(JST) に起動する設定 ===
 +
 +<​code>​
 +root@gemini:​~#​ rtcwake -d rtc1 -m off -u -t `date +%s -d "​2020-08-24 16:​30:​00"​`
 +rtcwake: wakeup from "​off"​ using rtc1 at Mon Aug 24 07:30:01 2020
 +root@gemini:​~# ​         Stopping Session c1 of user root.
 +         ​Stopping Session c2 of user root.
 +[  OK  ] Removed slice system-modprobe.slice.
 +[  OK  ] Stopped target Multi-User System.
 +[  OK  ] Stopped target Login Prompts.
 +[  OK  ] Stopped target Timers.
 +... shutdown
 +[ 1917.951871] systemd-shutdown[1]:​ Failed to finalize ​ file systems, loop devices, ignoring
 +[ 1918.008126] reboot: Power down
 +
 +
 +AT91Bootstrap 3.9.1-00029-gc1b347d (Sat Jun 27 07:17:07 JST 2020)
 +
 +ACT8865: changed nRSTO trigger to "OSC OK"
 +SF: Got Manufacturer and Device ID: 0xbf 0x26 0x41 0xbf 0x26
 +SF: Copy 0x80000 bytes from 0x10000 to 0x26f00000
 +SF: Done to load image
 +</​code>​
 +
 +\\
 +
 +===== Alpine Linux 高速起動モード =====
 +
 +不要な機能を省いた軽量化 Kernel + Alpine Linux を使用することで、15 秒ほどで起動するシステムを作ることも可能です。\\
 +これを使用することで、比較的高頻度で Power off モードを使用することも可能になります。
 +
 +{{:​mas1xx_ope:​power_management:​ma-s1xx_alpine_initramfs_boot.mp4}}
 +
 +\\
 +
 +===== RTOS(NuttX) 併用モード =====
 +
 +毎回 Linux を起動すると起動・終了に時間がかかり、高頻度でこのモードを利用すると待機時の低消費電力が無駄になってしまいます。\\
 +そのため、Linux を必要としないような軽い処理は RTOS(NuttX) で処理を行い、AWS へ通信をするなどの高度な処理をするときだけ\\
 +Linux を起動する、というような使い方も可能です。
 +(将来拡張)
 +
 +\\
 +
 +===== Barebox 併用モード =====
 +
 +Linux を起動せず、Barebox(ブートローダー) で処理をしてしまうモードです。\\
 +NuttX 利用のケースと同様、通信など高度な処理が必要な場合に Linux を起動して処理を行います。
  
 \\ \\
  
  
mas1xx_ope/power_management/start.1598250398.txt.gz · 最終更新: 2020/08/24 15:26 by admin